[症例2]上下総義歯移行症例
写真は左が上顎、右が下顎。残存歯は、上顎が2本、下顎が4本でした。上顎は2本しか残っていませんでしたが、早期に総義歯に移行する前提で、コーヌステレスコープとしました。かなり昔の症例ですので、上顎の残存歯が2本しかなくてもコーヌスにしましたが、今なら、磁性アタッチメントを使ったかもしれません。
コーヌスと磁性アタッチメントの使い分けについては、症例3をご覧下さい。
抜けては修理、抜けては修理を繰り返して(※)、少しずつ総義歯に近づけていきました。下顎が9年、上顎が15年を経過して、総義歯となりました。使い慣れて安定した噛み合わせのまま、良好な総義歯として使い続けることができています。特に下顎の場合は、コーヌス義歯から移行したことによって、充分な重みがつきますので、最初から総義歯として作ったものよりも安定感があり、噛みやすい入れ歯となります。
※コーヌステレスコープ(コーヌスクローネ)の土台として使用した歯は、多くの場合、自然に抜けるまで使い続けられます。
患者様向けQ&AのQ3をご参照下さい。
左が装着時、右が18年後の状態です。今後も、数年に一度のリベース(歯ぐきのやせに合わせる修理)が必要と思われますが、この義歯を、まだまだ永く使い続けられるはずです。
森本歯科では、総義歯を新たに作る時や、リベースをする時には、ほぼ全例、動的機能印象(噛んだ時や、口を動かした時にも、よく安定する歯型の取り方)を行いますので、総義歯でも、かなり安定の良い入れ歯となります。動的機能印象をご参照下さい。