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患者様用Q&A

Q1 : コーヌスは、どれくらいもつのですか?

 状況にもよりますし、途中である程度の修理をしながらとなりますが、部分コーヌスで10年以上、総コーヌスは半永久的、とお考え下さい。
部分コーヌス(上顎もしくは下顎の、一部分の歯を土台にした場合)は、土台にした歯の大部分が抜けてしまうか、噛むことによって外冠が磨耗して穴があいた時点で、使いづらくなってきます。
 歯の抜ける時期は、歯周病の程度によって変わってきますが、コーヌスは、土台の歯を保護する働きがあるので、よほど歯周病が強くない限り、10年はもちます。
 外冠に穴があいてくるのは、スルメ等の硬いものを好んでお食べになる方で、10年を過ぎると、外冠に穴があいてくるケースが見受けられます。しかし、すべての外冠に穴があくわけではありませんし、すでに完全にお口になじんでいますから、多少ゆるくはなっていても、あまり不自由を感じないので、ほとんどの患者様が、そのまま使い続けておられます。
 決定的に使えなくなるのは、穴があいたことによって強度が弱くなり、壊れてしまった場合で、強く噛まれる方で、10年~15年後、といったところになります。
 どちらも、あまりひどくなる前ならば、コーヌス症例4のように、まだ使っていない歯を土台にして連結拡大することで、さらに永く使えることがあります。
 歯周病もひどくなく、噛む力もさほど強くなければ、20年以上もつ可能性も充分にあります。現実に、装着時とほとんど変わらない良好な状態で、20年以上使っていただいている症例も、いくつか出てきています。 (平成20年現在で、コーヌスを始めて23年目なので、今後、25年経過例や30年経過例も出てくるものと思われます)
 総コーヌス(上顎もしくは下顎の、すべての歯を土台にした場合)は、総義歯になったあと、半永久的に使うことが可能です。(コーヌス症例2コーヌス症例3コーヌス症例4をご参照下さい。)
 特に、下顎の場合は、充分に重みのある、非常に安定した総義歯となります。
 上顎の場合は、重いことはマイナス要因ですので、より快適な総義歯をお望みの方には、すべての歯がなくなってから半年ほどして、新しく作りかえることもあります。

Q2 : コーヌスは、歯周病があっても使えるのですか?

 歯周病にこそ最適、と言えます。
 歯周病で歯がグラグラしている場合、ほとんどの歯科医院では、連結固定をしています。簡単な連結固定法では、すぐに壊れてしまうし、ブリッジ等でガッチリと連結固定してしまえば、もしもその中の一本でも悪くなって抜歯が必要になった場合、すべての連結固定を外して、また一からやり直すことになってしまいます。
 コーヌスなら、歯を保護する機能もありますし、歯みがきをする際にも、内冠だけの状態で磨くわけですから(コーヌス症例1をご参照下さい)、すみずみまで磨くことが可能で、歯周病の進行をおさえられます。着脱による自浄作用で、歯石の付着もほとんどありません。
 もしも土台にした歯が悪くなってさらにグラついてきても、ほとんどの場合、自然に抜けるまで放っておけますし(約8割の歯)、自然に抜けたあとは、簡単な修理をすれば、そのまま使い続けることができます。 (このことは、先々でお体が弱られたり、ご病気になられた時でも、あまりリスクを冒さずに、歯の治療ができることを意味します。次のQ3をご参照下さい)
 歯周病で歯がかなりグラついているなら、すべての歯が残っている状態でも、コーヌスで連結をしておけば、あとはお楽です。何年かたって、徐々に歯が抜けていくようなことがあっても、簡単な修理ですませることができます。こういった場合は、コーヌス義歯ではなく、『コーヌス連結』とか『コーヌスブリッジ』と呼んだ方がいいのかもしれません。
 コーヌスは、歯周病の連結固定装置としても、優れていると言えます。

Q3 : グラついている歯でも、自然に抜けるまで、使えるのですか?

 歯周病の悪化等でかなりグラついてきても、約8割の歯は、自然に抜けるまで使っていただいています。
 コーヌスの土台となっている歯は、コーヌスによって保護されていますから、単独の状態ではグラついて痛みを感じる歯でも、コーヌスを入れてしまえば、痛みを感じることは、ほとんどありません。ですから、わざわざ抜く必要がないのです。
 また、コーヌスをお入れしてから、5年、10年と月日がたっていると、何らかのご病気になられていることがあります。特に、循環器系の病気や肝臓等の病気があれば、麻酔や止血の問題で、抜歯をすることに危険が伴う場合が、かなり多くあります。
 グラついている歯でも、自然に抜けるまで放っておくことができれば、こういった危険をさけることができます。自然と抜けるわけですから、痛みも出血も、ほとんどありません。傷の治りも良好です。抜けてから1週間ほどして、簡単な修理をし、1カ月ほどたってから、ピッタリ合わせる修理をします。(コーヌス症例2をご参照下さい) 
 ご高齢になられてもお元気なままで、歯もたくさん残っているのが理想ですが、現実には、老化による衰えは、必ずやってきます。寝たきりや、要介護の状態になられた時、お口のケアは、介護する側もされる側も、総義歯が一番簡単です。誰にでも取りはずしができ、洗浄も簡単だからです。
 二番目に簡単なのが、総コーヌスだろうと思っています。取りはずしもむずかしくありませんし、歯磨きもしやすく、歯が自然と抜けてからの修理も、非常に簡単にできるからです。そして、徐々に総義歯に近づけていくことができます。
 このように、自然と抜けるまで使えるということは、ご病気等をされた時に、たいへんなメリットになると思っています。
 なお、自然と抜けるまで待たずに、積極的に抜歯するのは、次のようなケースです。
1 痛みが強い場合。
2 自然と抜けるまで待っているのが不安だとおっしゃる場合。
3 根っこの破折等で、自然に抜けることが期待しにくい場合。
4 心臓の手術等を受けられていて、歯周病の歯を長く放置しておくのが危険な場合。
  (これは、コーヌス以外でも、早期抜歯が適切とされています)

 

Q4 : コーヌスを作る期間は? その間の仮歯は作ってもらえるのですか?

 コーヌスそのものを作るのは、4回~5回のご来院、つまり一か月程度ですみます。
 しかし多くの場合、歯がグラついていたり、傾いていたり、これまでの入れ歯がまったく合っていなかったり、噛み合わせが低くなっていたりと、かなり悪い状態で来院されます。
 グラついている歯をまず固定して、グラつきを少なくし、歯周病の治療、歯の神経の治療、傾いている歯の修正、噛み合わせの高さの回復と、入れ歯作りに入る前にやるべきことは、たくさんあります。
 ですから、どんな場合でも、仮歯を作ります。仮歯によって、お口の中のすべての状態を整え、コーヌス装着後の状況を予測するのです。グラついている歯も、よほどひどい場合を除いて、まず仮歯を作って余計な外力がかからないようにし、グラつきをおさえます。そうすることで、8割程度の歯は、抜かずにすみ、コーヌスの土台の歯として使えるようになります。
 症例にもよりますが、こういった基礎となる治療に、1年近くかかる場合もあります。
 コーヌスは、入れ歯だけの技術ではありません。総合力です。

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