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第58回日本口腔外科学会総会・学術大会

平成25年10月11日(金)~13日(日)まで福岡国際会議場で開催されました、第58回日本口腔外科学会総会・学術大会に参加してまいりました。
5月の補綴学会同様、好天に恵まれた上に、もともと口腔外科出身ですので顔見知りも多く、楽しい学会参加となりました。
学術的なことで申し上げれば、『ワークショップ4 下顎智歯抜歯後の神経麻痺の回避法』の4口演は、新たな発見の意味においても、また復習の意味においても、得るものが多いセッションとなりました。
外科の基本は、『明視・直達』、すなわち、よく見える状態を作り出して、確実に器具を到達させることにありますし、特に口腔内は、ファイバースコープ等を使わないでもこれが可能であるため、今でも『明視・直達』が効果的であるには違いありません。 しかし、明視・直達しようと思えば、患部を大きく切り開く必要があり、術後の炎症は非常に強く起きて、腫れや開口障害が数週間ほど続いてしまいます。学術的・教科書的にはこれが正しいのだとしても、私のような町中の開業医としては、このように強く炎症の起きる方法は躊躇してしまうところですし、逆に大きく切り開かずに行えば、このワークショップでの一つのテーマである、下顎管、下歯槽神経、舌神経を傷害してしまう危険性が増してしまいます。
そのようなことを考えた時に、3席目の『下歯槽神経障害を回避するための2回法 下顎智歯抜歯システム』は、われわれ町中の臨床家にとって、有効な方法かもしれないと思いました。  つまり、1度に抜歯してしまわずに、3カ月ほどの期間を空けての2回法で行えば、歯の移動も期待でき、組織的にもゆとりができてくるので、大過なく抜歯を終えることができる可能性が高くなると思われます。
しかし、この方法は、まだ広く認知されておらず、健康保険では適応とされていないため、実際に行うのは、かなり無理があることも事実で、日進月歩の学術的な進歩に、保険が追いついていないといった典型例かもしれないと思いました。
また今回は、阪大での同級生でもある九州大学口腔外科の森悦秀教授と、平成26年2月に日本経営様でコラボで講演させていただく件について、お互いに何を語りたいのかの細部にわたった意見交換ができたことも、大きな収穫だったと思っております。

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