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第7回日本国際歯科大会

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平成26年10月10日(金)~12日(日)まで、パシフィコ横浜で開催されました、第7回日本国際歯科大会に参加してまいりました。
強風の曇天で、学会の天候としてはあまり良くありませんでしたが、歯科技工士さんや歯科衛生士さんたちのシンポジウム、さらには大規模なデンタルショーも併催されるとあって、かなり盛況な学会となりました。  発表される口演も非常に多く、聴きたい内容はたくさんあったのですが、事前抄録で最も興味をひかれた『生涯を見据えた補綴設計のためのディシジョンメイキング』のセッションに一番期待を込めて、拝聴いたしました。
さまざまに有益なお話ではあったのですが、やはり想像していた通り、歯周病や咬合の再構築、歯冠形態等、個々の分野の『ここに注意すべき』といった議論や抽象論に終始し、私がこれからの歯科医療に必須だと考える『具体的・実践的な生涯一貫治療、包括一貫治療、総合一貫治療のノウハウ』といったお話は聞けなかった、というのが実感でした。
歯科医療は、『今』を確実に治療することは、もはや当然のことであり、『今後、患者様が老化されていくのに対応して、その患者様の終末まで、具体的・実践的にどのように対応していくのか』が、時系列的にプランニングできるような方針がベストだと思っております。
予知性の高い治療とは、まさにそのことだと思っているのですが、『次に悪くなられた時に、どう対応するのか。その次に悪くなられた時にどう対応して、さらには、どのように無難に人生終末を迎えていただくのか』といった観点の議論がほとんど見られないのは、非常に残念なことだと思っております。
しかしながら、『天然歯保存時代の再生療法:その可能性と限界』のセッションでは、難治性の歯周病に対して、『過剰に歯周病反応が起きている個体』という概念が述べられ、それはすなわち免疫学的な考えを抜きにしては語れないという、非常に興味深い発表がありました。  すなわち、時々若年者でも難治性の歯周病があること、加齢に従って、特に五十代の後半以降は、歯周治療への反応性が低下してくること、等を考えれば、さらには歯周病が細菌感染によって起きる炎症であることが分かっている以上、免疫力が絡んでいることは容易に想像がつき、歯周病の専門医の先生が、なぜ免疫力に注目しないのか、私は不思議に思っていました。これまでにも、全身状態にも関係があるだろうとは述べられ、免疫力に何らかの問題があるだろうと言われてきたものの、具体的な治療法に、それが反映されることはありませんでした。
今回、歯周病に対して、具体的で実践的な免疫学的アプローチが示されたことによって、今後、ますますこういった考えや手法が発展していくと確信しておりますので、動向を注意深く見てまいりたいと思っております。

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