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日本補綴歯科学会 第122回学術大会

平成25年5月18日(土)・19日(日)に福岡国際会議場で開催されました、日本補綴歯科学会第122回学術大会に参加してまいりました。
快適な気候に恵まれ、大規模な学会らしく華やかに開催されたこの学会においても、多くのことを学ばせていただくことができました。
とりわけ感慨深く思ったのが、顎関節症に対する研究で、昨年11月の日本歯科医学会総会同様、顎関節症に対する考え方が、確実に変わってきていることを実感いたしました。
以前は、咬合(噛み合わせ)そのものに何らかの不調があるから顎関節症が起きるのだという意見に支配されていて、咬合診断という名のもと、私にとっては首をかしげざるを得ない咬合調整が積極的に行われ、またスプリントも、あまり違いがあると思えない各種タイプの中で、どれが適切かといった議論にばかり終始していました。  あるいは、割りばしを噛めば治る、おしゃぶりタイプのものがいい、脊椎や骨盤の矯正が必要、とかいったさまざまな意見や治療法が流布されていて、しかもそれらがすべて効果的であるとのことだったので、『この疾患は一体どうなっているんだ。本質は別のところにあるんじゃないのか』という感をぬぐえませんでした。
私自身は、7~8年前ぐらいに、『結局、どれも顎位を少し変えているに過ぎないんじゃないのか? とすれば、神経筋機構が暴走しての筋肉痛が本質的な問題だろう』といった考えにいたり、『覚醒時にはできるだけ筋肉をほぐし、睡眠時の姿勢を変え続ける』という考えのもと、各種筋肉弛緩法や睡眠時の枕替え法をご指導してきて、かなりの効果をあげている思っております。
今回、『顎関節症 円板転位復位型に対するスプリントの併用効果』の口演において、スプリントの有効性が否定されたこと、『顎関節症患者の加齢に伴う疼痛強度の変化』のポスター発表によって、筋肉の強さとの関連が確認されたことによって、私の顎関節症治療に対する考え方が補強されたと認識していて、私の考え方が有効であるエビデンスをできるだけ集めるようにしていきたいものだと思うようになりました。
博多の街はコンパクトながら、結構お洒落で美食も豊富で、好きな街の一つです。また、いつものように友人と旧交を温められたことも、大きな収穫だったと思っていて、意義深い学会参加となりました。

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