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平成24年 第42回日本口腔インプラント学会

平成24年9月21日(金)~23日(日)に大阪国際会議場で開催されました第42回日本口腔インプラント学会学術大会に参加してまいりました。
インプラントにはあまり肯定的ではない私ですが、最新の情報や技術は知っておく必要があるため、数年おきに、こういったインプラントを主体とした学会にも参加しております。
今回面白いと思ったのは、『可撤式電鋳ブリッジにジルコニア上部構造フレームの応用』という研究発表でした。
インプラントの長期メンテナンスには可撤式の上部構造が必須と思われる中、インプラント+オーバーデンチャーに期待する声が高く、オーバーデンチャーの代表格であるコーヌスがこれまで有力視されてきましたが、通常のコーヌスは微少な歯牙の移動を前提としていますので、私はたぶんうまくいかないだろうと思っていました。
しかし、この『ジルコニアの内冠』+『電鋳を施した外冠』の組み合わせならば、歯牙の移動に期待しないですむ可能性が高く、維持力も審美性も期待できるので、インプラント+オーバーデンチャーという概念の有力候補になると思われ、今後の動きに注目したいところです。(これがうまくいくならば、私もインプラントを始めるかもしれません)
また最近は、インプラントの基礎研究もずいぶん多くなってきているように思われ、ようやく、科学的にインプラントの議論ができる状態になってきたかもと思いました。  しかし、『国産HA-Coatインプラント1518本の長期的(17年間)調査 HA-coat234本とTi222本の11年比較研究』では、ずいぶん昔に否定されたはずのハイドロキシアパタイト(HA)でのインプラントの経過成績が、今の主流のチタン(Ti)と変わらないといった、じゃぁ今までのインプラント研究は何だったの? と言いたくなるような発表もありました。
また、トラブルも相変わらず多発しているようで、『インプラント関連の事故・紛争・苦情・相談事例に関する検討-(埼玉県)歯科医師会医事処理委員会で19年間に扱った事例-』では、128例の内、裁判となったのはわずか3例と、マスコミ等で取り上げられているのは、本当に氷山の一角に過ぎないのだという認識を、また新たにしました。
いずれにせよ、『電鋳をしたジルコニア外冠』という注目できる方法を見つけたことだけでも、この学会に参加した意義は充分にあったと思っております。

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