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学会レポート(日本補綴歯科学会 2009年 第118回学術大会)

平成21年6月5日(金)~7日(日)に国立京都国際会館で開催されました、日本補綴歯科学会第118回学術大会に参加してまいりました。
真夏のような日差しが照りつけた暑い中での開催となりましたが、どの発表会場もかなりの盛況で、さすがは伝統ある補綴歯科学会と、規模の大きさをあらためて感じさせられました。
目当てにしていた発表は、それぞれに充実した内容でしたが、特に興味をひかれたのは、『課題口演:補綴臨床疫学』の『フルバランスドおよびリンガライズドオクルージョンの咀嚼機能に関する臨床試験』でした。
私の診療テーマの一つでもある総義歯の安定には、やはりリンガライズドオクルージョンが有利であることが裏付けられた形となりましたが、質疑応答でも話題に出たように、さまざまな食物に対する咀嚼能率にどの程度の差があるのか、の研究が待たれるところだと思います。
また、ポスター発表の『吸引成形後のマウスガードシートの厚みに関する研究-シート材の色による影響』は、たいへん面白い研究だと感じました。 これまで私は、マウスガードの色のことなどまったく気にしていませんでしたが、この研究によって、濃い色の方が熱吸収率が高く、軟化率も高いので、シートは薄くなるものの精度は高くなるということを認識させていただきましたので、今後は、症例に応じて色を使い分けていこうと思っています。
新しい技術として注目されているジルコニアについては、数多くの研究発表がありましたが、金属アレルギーの患者様には適していても、やはりまだ、強度・審美性ともに充分ではないようで、10年、20年と長期間の使用を期待するなら、やはりメタルボンドが無難だろうなと感じました。
今回の学会でも、何人もの知り合いに出会い、それぞれに頑張っておられる状況をお聞きし、大変良いモチベーションになりました。その中でも、特に印象深かったのは、大阪大学歯学部でのクラブの後輩で、この春に卒業し、歯科医師として歩み始めているK君と出会ったことでした。  前に会った時は学生学生していたのに、今やすっかり社会人らしくなって、スーツ姿のK君を見た時、最初は誰だか分からないほどでした。私のような者をも先輩として立ててくれ、フレッシュマンらしい希望と意欲が感じられ、うれしく頼もしい思いをさせていただきました。(左上の写真も、K君が撮してくれたものです)  私も、これからも初心を忘れず、K君のような若々しい前向きな姿勢で、臨床も研修も、頑張っていきたいものだと感じました。
暑い中での学会でしたが、久しぶりにK君と会えたことも含めて、非常に有意義な学会参加だったと思っております。

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